捨て活を愉しむ

 ユーチューブを見始めると、テレビを見る時間がほとんどユーチューブに変わった。昭和生まれの人間にとって最近のテレビは少しうるさすぎた。一人でご飯を食べる時にふとテレビののスイッチをつけても、駆け出しの芸人さんがわいわい騒いでいるばかり。かえって疲れてしまう感じだった。もちろん『世界ふしぎ発見!』など楽しみにしている番組もあったが。
 それにユーチューブは好きな時に好きな番組が見れる。だいたい時間も10分から20分ぐらいのいわゆるすき間時間に見れる長さだ。観たい動画は何回も観れる。何か用事のある時は動画を止めることできるし。内容が少し理解しずらい時はもう一度後戻りもできる。反対にこの部分は必要ないと思うと飛ばすこともできる。動画で勉強する学生もいるし、また動画で勉強できる教材もたくさん出ているが、この機能は本当に便利だと思う。私もバードウォッチングのノスリやミサゴなど猛禽類の飛ぶシーンがかっこよくて、そこだけ何回も繰り返して見た。テレビではできない経験だ。


 バードウオッチングの次にハマったのは、お片付け動画だ。お掃除の会社作っている動画もあれば、個人が自分のいわゆる断捨離、捨て活を顔の部分を見せないようにしながら、様子をとっているものもある。とにかく手当たり次第、見まくった。だんだん見てくるとあなたへのお勧めが出てくる。もう自分で検索しなくても勝手にそちらから紹介してくれる。一日中ユーチューブ見ている人がいるらしいが気持ちはわかる。私もパートに行ってなかったら、そうなっていたかも知れない。それほど魅力的だ。

 『捨て活』という言葉はユーチューブで初めて知った。就活や婚活の様にポジティブな感じだし、豚カツの様に何か可愛い言葉の調子もある。なにか修行僧を彷彿させる様な断捨離という言葉の厳しさもない。いい言葉だ。私と同じ50代の人達が、せっせと捨てかつを頑張っている。実家や夫の実家の遺品整理で苦労した人がほとんどだ。私も

 

一人暮らしをしていた80代の父が老人施設に入居する時に、いる物いらない物の区別といらない物のトラック1台分の廃棄を子供たち総出でやったことを思い出した。本当に大変だった。いつかは物との別れはくる。年を取って体力が落ちて人任せすよりも、体力のある今のうちにやろう。背中を押された気がした。巣立った子供たちの荷物も子供の了解を得て処分した。もう使わないであろう食器や道具も処分した。億劫な気分になると動画を見て心を奮い立たせた。いろいろな知恵や工夫も頂いた。まだまだ道半ばだが、だいぶスッキリしてきた。これもユーチューブ、そしてユーチューブで配信されていた皆さんのおかげである。感謝!