悪口中毒にご注意

 悪口中毒という言葉を目にした。聖人君主ならいざ知らず、人の悪口を言うのは楽しい。これは残念ながら人間の性(さが)なんだろう。私の周りにも、多い少ないは別にして、人の悪口を言ったことがない人間など一人もいない。

 しかし、世の中には悪口おばさんという人達がいる。暇さえあれば、同じメンバーと人の批判ばかりしている。あれって何が面白いのだろう。毎日、毎日、仕事場でもいた。嫌でも耳に入ってくる。中身は同じ事ばかり。不満があれば改善すればいい。これこれのことをされると仕事に支障が出るので直してほしい、と直接言えばいいのに、グダグダいうばかり。耳に入ってくるだけでも不愉快だ

 そこで出てくるのが悪口中毒という概念だ。人を攻撃すること。これは生物的遺伝子としてあるのだ。生存本能として。残念ながら虐待や集団いじめがなくならないのはそれだ。生存本能を満たすから快感を覚えるのだ。標的にされたものはたまったものではない。
 だが、人間はいわゆる社会的動物だ。助け合わなければ生きていけない。特に仕事場は仲良しグループではない。そりが合わない人間も当然いて、その人ともそれなりにやっていかなければならず、それができなければやめればいい(やめたほうがいい場合もある。
 私が言いたいのは悪口を人の聞こえるところでばんばん言うのは人生戦略として不利だろ。だからやめろ。せめて陰口=人のいない所でしろ、と思う。だけど悪口中毒という病にかかっている人間はできない。アルコール依存症と同じだ。脳が快感を覚えて麻薬のように悪口を言うことを求めるのだ。過度のアルコールが体を壊すのと同じ様に、人間関係が悪くなるのにかかわらず、やめることができない。
 
 あら恐ろしや。たぶん会話の内容が、人の悪口と現実に対する不平不満がほとんどの人間は悪口中毒なのだろう。やめることはないだろう。本人が自覚するまでは。
 そう人への悪口はほどほどに。悪口中毒という言葉を知った以上は、ならぬよう気をつけなければ。自己本位な考えでもあるが。