青谷梅林に出かけた

 昨日、青谷梅林に出かけた。京都府南部の城陽市にある梅林である。もともと、鎌倉末期には自生の梅林があり、江戸時代に淀藩から梅樹栽培の奨励を受け、盛んに栽培がおこなわれたといういわゆる果樹園である。

 果樹園の梅といえば南高梅の産地の和歌山県が有名である。「一目、一万本」という。テレビでも早春の風物詩としてよく放送されている。観賞用の梅林も良いが大量の花が咲く果樹園の梅は見事である。梅好きとしては憧れである。でも、和歌山県大阪府高槻市に住んでいる当方としては遠距離である。梅の季節はまだまだ寒い。下手に遠出して体調を崩すかもしれない。テレビで見るだけの世界だった。

 それが最近、京都にも梅の果樹園があることを知った。それが昨日に行った青谷梅林だった。和歌山の南高梅とは違う品種である「城州白」などが植えられている。20ヘクタールの面積。出荷高年間約90トンなかなかの規模である。是非、行きたくなった。2月25日から3月12日までの2週間、梅まつりがあるという。たまたま夫婦そろって2月28日が休みである。夫がこの冬に買ったコートもまだ着ていない。コートを着るいい機会である。ドライブがてら出かけることにした。

 

 高槻市からマップで調べると1時間弱で行けるようだ。距離的にも手頃だ。ユニクロに寄って春向きの白いカーディガンを買い梅まつりの会場の駐車場に11時半ごろについた。駐車場代二千円を払い、メイン会場に向かう。地元有志であろう駐車場の案内のおじさんは穏やかで親切だった。「今日は暖かくていいですね」と声をかけられた天気予報では3月下旬の気温、桜が咲き始めるころの気温である。駐車場から20分ほど梅林を歩き、メイン会場に向かった。今年の冬は寒かったせいか、まだ梅は咲き始め一分咲きといったところか。枝先にぽつぽつ咲いている程度だ。でも、「梅一輪、一輪ほどの暖かさ」という俳句があるように一分咲きでも青空に映える梅の花は美しい。来てよかったと思った。

 メイン会場でお約束の梅干を購入。農家の方がつけている梅干で小梅も普通ぐらいの大きさも大ぶり肉厚の梅もすべてグラム数による値段は同じ。小パック400円、大パック700円。迷わず肉厚の大きい梅の入った大パックを買った。大体10個ぐらい入っていた。そして昼食用にお赤飯とお茶、お団子を買った。梅干込みで2250円だった。ベンチでお赤飯を食べる。春の陽気の中で食べるご飯はおいしい。食べ終わって無料のゴザの貸し出しを見つけた。少し残念。梅の木の下で食べるともっと風情があっただろうにな。

 帰りも周回コースでハイキングがてら駐車場に戻る。完全な農道で里山の中に山の神としてご神木が祀られていたのも興味深い。また休憩所があり、たい焼きを食べた。ぶらぶらと歩く。駐車場には12時半についた。滞在時間1時間ぐらい、ちょうどいい感じだ。

 青谷梅林を後にして帰路に向かう。帰りにコメダ珈琲でアイスのウインナーコーヒーを飲む。2月なのにアイスコーヒーがおいしく感じるそんな暖かさだった。2時半に家に帰る。さっそく、買ってきた草餅、桜餅、三色団子をいただく。地元の和菓子屋さんのもので素朴でおいしかった。梅干も夕食時に食べた。本当においしかった。肉厚、塩辛くて酸っぱい。昔、祖母が作っていた梅干を思い出した。京都に住んでいた祖母、そして昭和の頃だ。祖母が使っていた梅は南高梅でなく、この梅だったのかも知れないと想いを巡らす。

 道端に、今年初のオオイヌノフグリの青い小さな花を見つけた。早春の素敵な一日だった。