梅雨のドタバタ(後編)

 夜間診療所は、病院が診察時間が始まるまでやっていると思ったのが間違いだった。受け付けは6時半までだ。時間は8時前だ。どうしよう。とにかく受付は締まっているけれど自動ドアは空いている。誰か人がいれば尋ねよう。
 中に入るとゴミ袋を片手に歩いている人がいた。「夜間診療所を訪ねたが締まっていたのでどうしたらいいでしょうか」と聞いた。隣り合わせにある救急センターに一度聞いてみたらのことだった。救急救命センターの中に入ると看護師らしき男性がいた。夫が声をかけると救急センターとしては救急車で運び込まれた人しか見れないとのこと。そして大きな病院が何軒か書いてある地図を渡された。そしてこの中でご自宅に近いところに連絡してくださいと言われた。言い方は丁寧だけどシビアだなと思った。夫が連絡してくれた。

 家から一番近い病院だ。当直医らしき人が電話に出た。何歳児ですか、と質問された。家内、57歳。と答えている。喉はまだいがらっぽい。でも自分が答えなければらちがあかないと思った。簡単に経緯を説明した。ネットに書いてある通り大量の水を飲んだ。それから素人考えで酢を薄めたものも飲んだことも。そしてネットに洗剤誤飲の恐ろしさも書いてあったので喉の痛みは収まったものの少し気になって夜間診療所に来たことも告げた。

 お医者さんの見立ては緊急性はないけれど気になるのなら今からこちらに来てもらって通常の時間帯に診察を受けてもらってくださいとのこと。病院に向かった。その時はもう8時を回っていたもう患者も来ている。受付で今までの経過を簡単に説明した。受付で紹介状がなければ初診料5500円かかるといわれた。高い。そのころにはのどの痛みもだんだん収まっていた。もともと電話で相談してそのままではダメかと思っていただけなのでとりあえずほかの病院を訪ねるといって病院を後にした。

 

 結局ほかの病院も行かず、そのまま車に乗せてもらって仕事に行った。ポカリスエットもどきを自販機で2本買った。仕事場は人数ギリギリだ。5連休した後なので休まなくてよかったと思った。朝から大量に水分をとったせいだろう、すごくトイレに行きたかった。のどの痛みが残って1日半固形物を欲しいと思わなかった。

 とにかく大変だった。まさかの話だけど自分がなるとは。洗剤などは絶対移し替えてはいけないとつくづく実感した一日だった。