六甲山 風吹き岩

 気が付けば満開の桜も葉桜になりつつある。2週間余りの桜の季節もそろそろ終わりだ。さつきの花がそろそろ咲き始め、朝晩の肌寒さもなくなる。そう一年で一番過ごしやすい季節の到来だ。

 この季節に一番したいこと。ハイキングかな。ハイキングはいい。土の道を歩いていると嫌なことを忘れる。アップダウンの道を歩いていると汗ばんでくる。適度な運動だ。色々な場所にハイキングに行ったが、一番好きなのは、六甲山だ。

 北摂地方、いわゆる阪急沿線に住んでいる人は、ハイキングに六甲山に行く人が多い。大阪市内の人が金剛山に行くように。阪急沿線に住んで思ったことだが、六甲山まで余り時間がかからない。特にお勧めは蘆屋川駅から風吹岩まで歩き岡本駅に降りるコースだ。六甲山のハイキングコースは多々あるがこのコースは特に人気だ。

 まずバスを利用することがない。歩いて30分余りで山の入り口に到着する。そこまでは住宅地を通るのだが山の入り口に高座の滝という小さい滝があり、昔ながらの茶店もあり、休憩所がある。ここまでで少し別世界にきた感じが味わえる。
 そして山道を歩いていくと岩場に当たる。ロックガーデンだ。岩ばかりの中を細い道があり、歩きにくいところは鎖があったりする。子供連れの人もたくさん来ている。短い距離だし、難易度も高くない。滑り止めのないスニーカーを履いている人もいる。(私は登山靴を履いているが)
 でもスリルはある。必死になってしまう。私もロックガーデンに来るまで自然の岩場は初めてだった。とりあえず必死になって鎖を握りしめて一歩一歩、歩かなければ前に進まない。ふだんネガティブな人間にとって生きる起爆剤になる(最近、マツコ・デラックスさんが幸せを感じた事がない。と言っていたようだが、そんなものかと思うと気が楽になった)
 そしてロックガーデンを過ぎて山道を歩くと風吹き岩に到着する。大きな岩だ。そして見晴らしも広がる。山の入り口からたった1時間程でついたのだが、ここで達成感を味わいながら食べるお弁当は格別においしい。見晴らしもいい。海が見えるのがいい。

 帰りは岡本駅に向かって下りる。あいだに保久良神社がある季節があえば梅林もみられる。トイレもあるし、休憩もできる。そこで休憩しても1時間程で岡本駅に着く。駅前の喫茶店でコーヒーを飲む。そして電車に乗り家路につく。

 一人でぶらりと出かけると速足ながら9時に出て3時には帰ってこれる。ロックガーデンで岩場のスリルを楽しみ、海からの美しい眺め。お金だって電車賃とコーヒー代、ちょっとしたランチ代ぐらいのものだ。お手軽で楽しめるナンバーワンだと思う。
 ああ、また六甲山に行きたくなった。